ついにやってきた手術当日。
受付をして待合室で待つ間キャリーを開けて...
不安そうなたまに声をかける。
『目が覚めたらお尻スッキリしてるよ~♪ 頑張ろうね!』
たまと目を合わせるのが、これが最後になるなんて。
今まで去勢、避妊、腫瘍除去手術等
幾度と手術をしていただきましたが
何かあれば連絡があるということは聞いていたので
毎回お迎えまでに電話がないように願っていました。
この日もお昼を過ぎて2時になっても連絡がなかったので
もう済んだだろうね、なんて家で話をしながら
16時のお迎え前に買い物して病院へ行こうと
15時過ぎ頃100均の駐車場に着いたとたん
病院から着信が。
え…?何??
電話に出ると先生。
12時頃から手術を始めて、今無事終わりました。
とのこと。
あぁ、無事終わったんだ、
と胸をなでおろしたあとすぐ先生が
ただ想定外で、腸に穴が開いていまして
1週間は入院してもらうことになります、
また16時以降来られた時に説明しますので。
と、いったん終話。
3時間も手術をしていたなんて思ってもおらず
先生がたまを1週間も入院させるなんてよほどのこと。
16時を待ち病院へ。
診察室に呼ばれ麻酔が解け切れていないたまを横に
お腹の中の図解を見ながら先生の説明を聞く。
予定していた脱腸の手術に取り掛かると
肛門から出ている腸の部分を引き出す際
ズルッと先が出てきたそう
腸に穴、というかもう壊死して切れていた状態
開腹してその切れた向こうの部分を探して
悪い部分を切除してつなげるという大手術に。
つなげたものの、本来切除しない方が良い盲腸部分を
切らなくてはいけない状態で
小腸と大腸の間をかなり切除することになったそう。
朦朧としているたま
先生に急変することはありますかと尋ねると
大いにあります、とのこと。
腸のくっつき具合や様子見などで
1週間は入院が必要とのことで
待合室で面会をして受付へ預けてください、と。
待合室で大変だったね、と頭を撫でていると
口をカッカと開け瞳孔が開いたので
慌てて受付のスタッフさんに様子がおかしいです、と
キャリーを渡し、先生のところへ連れて行かれ
その時診察してもらっていた方が隣に座り
『先生血相変えて飛んで行かれた』と。
少ししてスタッフさんに呼ばれると
救命部屋へ案内され
そこには温かいベッドに寝かされて
酸素マスク、点滴、心電図を付けられたたまがいて
私が見てもわかるほど
心拍数がどんどん落ちていくたま
今が谷でここから上がってこれるかどうか、と先生
頭は真っ白
先生曰く3時間の大手術による負担が大きかったと。
耳元でたまー!たまー!と叫ぶと心拍数が少し上がるものの
すぐに下がり、呼吸はすでに機械が行っている様子
先生も何度も点滴に心臓の薬を追加して
最大量まで入れてくれましたが
心拍数のモニターが50、30、20と下がっていき
いかないでと嘆いても嘆いても落ちていって
先生が酸素マスクを外し、何もかもが0に。
急変してから1時間で。
全く頭が追い付かなくて
今日は元気になったたまを連れて帰って
もうお尻安心だね!って、これで食欲もまた出て
体重戻していこうって思っていたのに。
先生からもお言葉をいただき
ずっと見えなくなるまで見送っていただき
動かなくなったたまを連れて帰宅。
大BBAも放心状態
何でこんなことになったのかが
いくら考えてもわからず泣くことしかできなかった。
こんなに頑張ったのにね ※この後頑張りつくしたたまの写真があります
手術が明日なら、もう1日一緒にいれた。
手術が明後日なら、もう2日一緒にいれた。
一日でも早く手術してほしい!と思っていた自分。
手術はすべきだったのはわかってるけど、
こんな日をずっと待っていたなんて、辛い。
ただ寝ているかのようで。
病気で亡くなった子たちとは違って
舌も紫になることもなく
5時間たっても死後硬直もなく温かくて
目も乾いていくこともなく。
目を開けて寝ているだけのようで
人工呼吸をしたり心臓マッサージをしたり
奇跡が起こるんじゃないかって夜までしたけど
やっぱり冷たくなっていって。
あの食いしん坊のたまに
手術のために前日夜から空腹のままで
旅立たせてしまったことも申し訳なくて
本当に、本当にごめんなさい。